海運・国際物流向け会計システム「SeaCASTⅡ」導入事例インタビュー

NSユナイテッド海運グループ内では当たり前の
基幹会計システムとして定着している

NSユナイテッドシステム株式会社
開発・管理チーム OAチーム
チームリーダー 和原 一夫 氏

 NS ユナイテッド海運の100%子会社であるNSユナイテッドシステム(東京都千代田区、横溝豊彦社長)はグループ会社のシステムに関する運用・保守を主要業務としている。今回は同社の和原一夫氏に「Sea CAST」および「Sea CASTⅡ」の導入・稼働に至るプロセスと現況を聞いた。会計システムの本来の姿とは何だろうか。

「このシステムは使える」と早い段階で実感

――導入の経緯からお願いします。

和原■   親会社のNS ユナイテッド海運は2007年4月、運航業務にかかわる基幹システムを自社開発で新たに運用し始めたのですが、この移行のタイミングで、会計システムをどう刷新するかもまた重要な課題でした。
 当時、グループ会社ではそれぞれ別の会計ソフトを使っていましたが、効率が悪く、グループ内で統一したシステムの導入を考えていました。
 検討にあたり、日本および外資系のシステムベンダー会社を数社、候補として挙げました。「Sea CAST」もその候補の1つでした。
 2004年に導入検討を始め、各社の提案を冷静に聞き、2005年に「Sea CAST」(当時)の採用を決めました。カスタマイズは2006年に実施しました。結果、2007年4月からの基幹システムの切り替えに合わせて「Sea CAST」を稼働することができました。

――決め手は何でしたか。

和原■  まず国産の会計システムは当時、外貨対応などには弱かったため、海運会社にとってはシステムのコアとなる部分をカスタマイズしなければ使えない状況でした。一方、外資系のシステムは外貨への対応などは優れていたものの、こちらの予算に合いませんでした。
 こうした中でも「Sea CAST」は海運業に特化しており、グループ内のユーザーにも非常に説明がしやすかったという特徴がありました。
 大きな決め手は、検討段階で、実際にシステムの操作と確認ができた点です。他社はデモンストレーションのみでしたが、それだけでは判断できません。実際に操作してみて、「このシステムは使えるな」と早い段階で実感できました。

稼働まで時間はかかったが、
しっかりサポートしてもらえた

――稼働に至る経過はどうでしょうか。

和原■  「Sea CAST」導入の際は、実際に盛り込む機能などを明確にしていく要件定義、そしてカスタマイズに時間を要しました。
 要件定義では、各グループ会社の経理担当者、そしてグループ内の出納業務を一元管理するNSユナイテッドビジネスの担当者が集まり、約4カ月間にわたって根を詰めた作業をしました。そしてカスタマイズに5カ月ほどかかり、カスタマイズ後に稼働試験を実施しています。こちらの希望と完成したシステムにギャップがあったため、そこも1 つひとつ解決していきました。
 要件定義の時はエイ・アイ・エスの担当者の方に週1~2回のペースで弊社に足を運んでもらいました。稼働試験時も、担当者が来てその場で課題を吸い上げ、次回の修正につなげてくれました。基本設計だけでフォローをあっさり切ってしまうベンダー会社もありますから、他社に比べて柔軟性はあったと思います。YJK Solutionsさんも含めてしっかりサポートしてもらえました。

「Sea CASTⅡ」はコア部分の使い勝手が非常に良くなった

――現在は「Sea CAST Ⅱ」に切り替わっていますがいつからですか。また使い勝手は?

和原■  切り替えは2014年3月です。「Sea CAST」はパソコンに1 台ずつインストールするタイプでしたが、「Sea CAST Ⅱ」はウェブ上で操作できるクライアントサーバー型ですから運用はかなり楽になりました。システムも非常に安定しており、私どもからYJK さんやエイ・アイ・エスさんにサポートをお願いするのも1年に数回程度です。そして「Sea CAST Ⅱ」はコア部分の使い勝手が非常に良くなったと思います。

――具体的にはどんな点でしょうか。

和原■  まず画面や操作性という意味でのインターフェースが改善しました。画面のメニュー構成を使う側がカスタマイズできるので、使う人の仕事の手順を柔軟に設定することが可能です。
 もう1つは、複数社の画面を同時に立ち上げて操作できる点です。以前は1 社単位でしか操作できなかったため、別の会社の画面を立ち上げようとすると今見ている画面を閉じなければいけませんでした。その煩わしさも解消されました。
 また機能面では「B/S 勘定消込機能」が便利です。海運業は、船主管理や代理店との前払金や立替金など、バランスシートの整理がしづらいのですが、これを自動に消し込んでくれます。
 加えて、円やドルの為替レートでどうしても出てしまう為替差を自動的に計算してバランスシート上できれいにし、かつ通貨違いで邦貨金額一致などのケースも自動で通貨残高を合わせてくれる機能があります。これも使えますね。総じて、会計の機能は何も問題ありません。

会計の根幹部分を担う重要なシステム

――導入して何が一番大きく変わりましたか。

和原■  一番大きかったのはグループ内での会計システムの統合でしょう。出納業務を担うNSユナイテッドビジネスでは以前、グループ各社と同じ会計システムを1 つずつ持ち、使い分けていました。しかし今はオペレーションが同じなので、効率は非常に良くなっていると思います。
 実は、グループ各社の経理担当者やNSユナイテッドビジネス以外の人で、「Sea CAST Ⅱ」に触ったことのない人は多いはずです。しかしいまやすべての経理データがこの会計システムに集まります。NS ユナイテッド海運グループにとって「Sea CAST Ⅱ」はすでに会計業務の基盤となるシステムとなりました。基盤だからこそ表には見えにくいのですが、会計の根幹部分を担う重要なシステムであることは間違いありません。
 以前の会計システムの環境を知っている人がほとんどいなくなり、前出の便利な機能も今の社員は普通に使っています。もはや、「Sea CAST Ⅱ」はグループ内で当たり前の基幹会計システムとして定着しています。なのであまり気のきいたことが申し上げられないのですが、これが本来、会計システムのあるべき姿なのかもしれません。
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