海運業向け会計システム
「TRANS-Account」導入事例インタビュー

導入当初は専属の担当者に対応してもらった

――「TRANS-Account」の導入経緯をお願いします。

関口■　導入の意向を固めて実際に契約したのは2009年3月です。海運業向けではなかった従前の経理ソフトによる業務に限界を感じていた頃でした。システム変更の意向が長らくあった中、エイ・アイ・エス社（以下、AIS 社）主催のセミナーがあり、それに参加したのが導入のきっかけです。弊社からはシステム関係に詳しい人間も参加しており、そこから、導入の決定と契約自体に時間は要しませんでした。

――実際の稼働についてはいかがでしょう。

関口■　契約までは早かったのですが、実を言うと、本格稼働までには時間を要しました。「TRANS-Account」は海運業向けの経理ソフトであることは間違いありませんが、従前のソフトと並行稼働する中で付け足したい機能も増えていったため、弊社の場合かなりカスタマイズを重ねたのが実情です。「TRANS-Account」の導入は2010年ですが、1 年ほど従前のソフトと並行稼働し、いまでは問題なく活用しています。

―― 十分なサポートは受けられましたか？

関口■　「TRANS-Account」がグループ内で軌道に乗るまで、専属の担当者が弊社に常駐して対応していただきました。今は定期的に遠隔操作でデータバックアップを行って貰っています。これにより弊社側で何か問題が生じた時、AIS社側にも同じデータがあるので問題の確認から解決までの時間が大幅に短縮されています。
　以前のように担当者に連絡を入れ、問題を確認して、それを解決するまでに何日か費やすということがありません。ウェブブラウザを通じて操作できる経理ソフトであるが故のメリットの一つだと思います。

グループ会計処理、検索機能が充実。

――ほかにどのようなメリットを感じていますか。

関口■ 　スタッフの声を整理すると、まず事務作業の大幅な軽量化が挙げられます。以前なら、グループ間取引など同じ内容で複数発生していた入力作業やその確認作業が激減しました。親会社で一度正しい情報を入力すればその数字を共有できますので子会社との借方・貸方のバランスが常に一致するようになっています。

　また、シンガポールでは船舶管理業務も行っており、現地で入力された購買システムから仕訳データを取込み、本社で出納業務を行っています。シンガポールの現地法人が日々の購買活動を通じて各船で何をどれくらい購入したかがすぐにわかります。
　それと検索機能が大変便利と聞きました。管理コードを使って、仕訳自由検索、一括検索、そして金額だけからの検索などもできると。「これはどの取引先との間で発生した何の費用だったのか。どう仕訳したのか」がすぐに判明するそうです。また伝票のテンプレートと複写機能も評価が高いですね。

前月の収支を随時把握。人材活用でも一役買う

――経営的な観点からはいかがですか。

関口■　「TRANS-Account」が軌道に乗ってから、月次での収支の流れがよりタイムリーに把握できるようになりました。以前は月次決算が確定するまで2カ月間ほどかかりましたから、この違いは経営的にも非常に大きいと思います。特に年次決算の時期は、本社の数字をまとめている時はグループ会社の決算までなかなか手が回らなかったのが実情です。しかしいまではグループ会社の決算もほぼ同時に締めることができます。

　月次決算がスピーディにまとまるため、年次決算の予測も立てやすくなりました。弊社はドル収入が多いのですが、為替変動が財務諸表にどう影響するのかの見極めもしやすくなりましたね。
　決算前に作業が極端に集中することもありません。「TRANS-Account」を通じて経理業務の平準化が実現していると思います。
　また、「TRANS-Account」の導入で経理の負担が軽減されたため、他の業務についてヘルプに回ってもらい、別の仕事を覚えてもらうという機会も出てきています。
　当初のカスタマイズには苦労がありましたが、「育て甲斐のある経理ソフト」というのが担当者の生の声です。そして「『TRANS-Account』導入以前の業務環境にはもう戻れないし、戻りたくない」そうですよ。経理業務の効率改善のみならず、経営判断や人材活用・育成の点でも「TRANSAccount」の弊社への貢献度は高いと認識しています。